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2013年2月27日水曜日

アニメシアター上映作品紹介~岡本忠成~

2月ももう最終週!驚きの速さ!

2月26日(火)~3月1日(金)の「おもしろ小話アニメ特集♪」は、岡本忠成『ふしぎなくすり』を上映します!
実験的であったり、革新的なアニメ作品などに送られる大藤信郎賞受賞作。
上映時間は13分です。

星新一原作(小説の原題は「盗んだ書類」)、岡本忠成制作の人形アニメ。
星新一さんは「ボッコちゃん」などショートショート小説の名手、
岡本忠成さんはNHKみんなのうたの「メトロポリタン美術館」のアニメーションを作った方です。

泥棒コンビが狙ったのは、ある研究所。
こんど博士が完成させた薬は、とても素晴らしい、今までに無い薬らしい。
それを聞きつけた泥棒ふたり、絶対手に入れる!と夜に研究所に忍び込む。
七転八倒の後、薬と製法がかかれた書類を盗み出した。
世界中の宝は俺たちのものだ!と息巻いて、薬を飲んでみることに。
さて、その薬、舎弟がおっかなびっくり飲んでみると意外に美味しい。
そして頭がスッキリ、いい気持ちになる。
しかし、その後異変がおき、彼は思わぬ行動に出る……

ストーリーも面白いですが、この作品はぜひ人形アニメのほうにも注目してみてください。
本来、動かないはずの「人形」が縦横無尽に動き回ります。まさにアニメーション!
研究所の施設も、造形が見ているだけで楽しいです。
研究所にあるクレーンもコマ撮りで動かしてるんだよなあ。
岡本忠成さん独特の、おかし味のある作品で、いろんな人にオススメできます。

岡本忠成
『ふしぎなくすり』(1965年制作)


【上映時間】
2月26日(火)~3月1日(金) 11:00/13:30

【予告】
来週は、テックス・アヴェリー作の『うそつきトム』『ウルトラ小鴨』の2本立てです!
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 上映スケジュールはこちら

スタッフ ふ

『赤いろうそくと人魚』シアターでの特別上映決定!

現在開催中の企画展『アニメーション美術監督 小林七郎展 -空気を描く美術-』で制作された、
映像絵本『赤いろうそくと人魚』の特別上映会を開催します。
この作品は、『アニメーション美術監督 小林七郎展』の開催期間中、展示会場内のモニターでも観ることができますが、
「大きなスクリーンで観たい!」という声にお答えして、当館アニメシアターで特別上映会をすることが決まりました!
ぜひこの機会にご来場ください。

●上映日時 1回目:3月10日(日) 14:10~14:35
 2回目:4月 7日(日) 14:10~14:35
 ※開場は、各14:00を予定。
●場所
 杉並アニメーションミュージアム内アニメシアター
●定員
 各50名
 ※定員を超えた場合は、立ち見となります。
●入場料
 無料
●その他
 整理券などの発行の予定はありません。
 直接会場にお越しください。


(c)アトリエ・コバ

2013年2月23日土曜日

COROMOアニメ作画勉強会

杉並アニメーションミュージアムでは、アニメ業界志望者や業界人が楽しめるコミュニティを目指す団体「COROMO」と共同で、アニメーター志望者向けに「アニメ作画勉強会」を開催します。
テーマとして「歩き」を取り上げます。時間内に歩きの作画を1カット制作します。
指導は、当館館長でアニメーション作家の鈴木伸一が行います。
実際に鉛筆を握り、手を動かすことで作画を体感しませんか?

【作画テーマ】
 『歩き』
  勉強会の間に「キャラクターが歩く」作画を1カット制作します。
  制作をとおして、作画のコツやタイミングを指導します。
【開催日時】
 2013年3月16日(土) 13:00~17:00
 (12:45開場/13:00開始)
【場 所】
 杉並アニメーションミュージアム 4階ワークショップスペース
【定 員】
 8名(先着)
【対 象】
 アニメーター志望の方
 ※主に高校生・専門学校生・大学生・社会人が対象となります。
   アニメーター志望であれば、学科や経験は問いません。
【指 導】
 鈴木伸一
 (アニメーション作家・杉並アニメーションミュージアム館長)
【持ち物】
 ・筆記用具(鉛筆・消しゴム)
  ※鉛筆の濃さは“Bか2B”を推奨。
 ・キャラクターの設定(正面・横向き・斜め前から見た全身図)
  ※参加者の方のオリジナルキャラクターで作画していただきます。
    自分のオリジナルキャラクターを設定してきてください。
【参加費】
 500円(用紙などの実費)
【申し込み方法】
 「COROMOアニメ作画勉強会」のメールフォームでの事前申込制
  リンク先→ http://ws.formzu.net/fgen/S11437705/

関連リンク:
COROMO公式HP

2013年2月21日木曜日

【コマ撮り先生】 2まいでアニメをつくろう!

絵を描くのがニガテな人でも簡単にアニメーション作りを体験することができる
【2まいでアニメ ワークショップ】を開催!!

アニメーションは、少しずつ形を変えた1枚1枚の絵(動画)
からできています。
【2まいでアニメ体験】では、2まいの紙に連続した絵を描き、
それをパソコンに取り込むと、簡単なアニメができちゃいます!
「絵を描くのはちょっとニガテだな~・・・」という人でも
気軽に参加できますよ♪

●開催日時 03月17日(日)
●時 間   13:00 ~ 17:00
         (15:00 ~ 15:30の間はお休みです)
●場 所   杉並アニメーションミュージアム
         4階 ワークショップスペース
●参加費   無 料
●持ち物   とくに必要ありません

※作ったデータは持って帰ることができます。
 希望される方は記録メディアをお持ちください。

【対応記録メディア】
CD-R、USBフラッシュメモリ、SDカード、miniSDカード、メモリスティック、xDピクチャーカード。
※CD-RW、DVD、ブルーレイディスクはご利用いただけませんのでご注意ください。
※CD-Rは、ミュージアムショップでも販売しています(1枚100円)。

●その他
・事前申込みは必要ありません。
・混雑時には、お待ちいただくことがあります。

2013年2月19日火曜日

★【「赤いろうそくと人魚」完成記念発表会&トークイベント】レポ★“その2”

■小林七郎さんイベント■レポ2「赤いろうそくと人魚」

(C)アトリエ・コバ
「赤いろうそくと人魚」より


(C)アトリエ・コバ
ろうそくを無言で見つめる人魚


司  会 :そもそも「赤い蝋燭と人魚」に出会われたのはいつなんでしょう?

小林さん:戦争の真っ最中、東京の大空襲を受けてですね、東京に出ていた
      20歳年上の一番上の姉がですね、友達とその空襲をのがれて、
      山奥へやってきたんです。
      そこで私は、学校を長欠児童していました。
      つまり、物資の無い時代、履くもの着るものが乏しくて、真冬ね
      通学できないんです。町の学校まで山道で一里近く、まず、足元がね、
      靴はね、磨り減って破れてね、とにかく冬の間中学校に行けない。
      凄い貧乏でしたから、当時は全てが無い無い尽くしでしたからね。
      姉の友達は文学少女的な人で、約2、3ヶ月、冬中いまして、
      『山奥で少年が1人、好きでほつほつと絵を描いていた。』というのを
      記憶していたのでしょうね。
      その後、春先、あの東京大空襲、3月20ですか?で、焼きだされた
      人たちがいるということで、急遽姉の友達は帰っていきました。
      で、まだ終戦になるかならないかのうちに、その人からお礼の手紙が
      来ました。その手紙の紙というのは普通の便箋。
      紙の無い時代ですからね。
      多分その人は少女時代にどなたかと文通していたんでしょうね。
      その便箋の裏にですね。鉛筆書きのね、文章が・・・
      それがね「赤い蝋燭と人魚」のね、物語だったんです。
      便箋の紙にですよ。2回にわたって書いて送ってくれたんです。
      もう、凄い、私には感動だったんです。

司  会 :それでいくと、小学校とか・・・

小林さん:ええ、小学校六年。
      なぜかそれがね、わたしには初めて出合った純文学的な
      心にしみる作品だったんでしょうね。
      だから、終生それがいつもあたまから離れないわけで、
      そうですね、だいたい高校生の頃には
      チラチラッとこれ紙芝居にしよう、とか描いたものが残ってたんです。
      今でも探せばあるんですよ。


と、このような様々なエピソードをお話し頂いた後、いよいよお待ちかね、
「赤いろうそくと人魚」の上映がありました。
小林七郎さんの「赤いろうそくと人魚」はざっくりとした筆遣いで描かれながらも、
登場人物の心情がひしひしと、伝わって来るようでした。
空気感、雰囲気に引き込まれてしまうのです。
幼い頃に読んだ童話を小林七郎さんの描かれる絵で、しかも映像で
見る機会に恵まれて、とても幸せなことだと思いました!

そして、「赤いろうそくと人魚」上映後、小林七郎さんは、直したいところばかりが
目に付きます。まあ、未完成の魅力ととらえて下さい。と、おっしゃっておりました。
小林さんの中ではまだまだ、未完の域を出ていないというのが驚きですね・・・!
見る側としては十分なように感じられるのですが、もしかしたら、作品を作り出す
方からすると、本当の意味でご自身が満足のいく、100点満点と言い切れるものが
完成する事自体、稀なことなのかもしれませんね。
こういった『もっと、良くできる。』という姿勢が、前に小林さんの
話していらっしゃった、“好き”という気持ちを元にした『いや、もっと、もっと。』の姿勢なのかもしれません。

小林七郎さんのお話しによると、今度の作品を完成させるにあたって、
震災を経て、これから自分に出来ることを、アニメの技術を通して、個人レベルで
頑張りたい。という基本姿勢が根底にあったのだそうです。
そして、こんな見せ方、やり方がある。と、その一例として「赤いろうそくと人魚」を
作られたのだそうです。また、これからの時代は個人レベルで作れる時代だと
思うので、できましたら、皆さんにも是非、作っていっていただきたい。
との、小林さんからのお言葉でした。
このように上映の後にも小林さんから色々とお話しを聞かせていただき、
イベントは無事終了となりました。

今回のイベントでは、小林七郎さんの大変、内容の濃い!お話しと、
「赤いろうそくと人魚」の完成記念上映をする機会を得ることが
出来まして非常に光栄でした。
イベントに参加された方々、皆さん一心に小林七郎さんのお言葉に
耳を傾けていらっしゃったようです。
参加したお客さまから「お話しが聞けてよかった!」との声が届いております♪

ゲストである、小林七郎さん、フリーライターの佐々木さん、
会場にお越しいただきました沢山の方々、そして、忘れてはならないのが、
今回の「赤いろうそくと人魚」制作にあたった、J.C.スタッフはじめ、演出や作曲、ナレーションの方々、このたびは、皆さまによる協力のおかげで、イベントを無事、執り行なう事ができました。
この場をお借りして、スタッフ一同お礼申しあげます。
ありがとうございました!


♪イベントに参加できなかった方へ・・・
小林七郎展会期中、小林七郎さんの映像絵本「赤いろうそくと人魚」を
当館の4階にあるテレビモニターにて、終日、上映しております。
見逃してしまった!という方は、是非、杉並アニメーションミュージアム
までお越しください。
小林七郎さんの展示原画と合わせて、お楽しみください!

スタッフ メケコ

★【「赤いろうそくと人魚」完成記念発表会&トークイベント】レポ★“その1”

皆さまこんにちは♪
スタッフ、メケコです。
まだまだ、寒い日が続きますね~。
少しづつではありますが、日が長くなってきたようで、
もう少し暖かくなると良いなぁー。と、館長の長崎み
やげカステラをほおばりながら思っているしだいです。モグモグ・・・。
まだ、寒いですので、皆さんも風邪などをひかないようにご自愛ください!

さて、先日2月11日(月・祝)は、建国記念日で
お休みでした。お休みできた方は「3連休!」という
素晴らしい週末でありました。おめでとう!
3連休なんてなかった・・・!という方、お仲間ですな♪

そんな連休の最終日に杉並アニメーションミュージアムでは小林七郎展(アニメーション美術監督小林七郎展‐空気を描く美術‐)の目玉イベント・・・
小林七郎さんご本人をお招きしての【「赤いろうそくと人魚」完成記念発表会&トークイベント】が開催されました!ワー!パチパチ!
おかげさまで、イベント当日は沢山の方に
ご来場いただきました。ありがとうございます!

小川未明原作の「赤い蝋燭と人魚」を小林七郎さん
が映像絵本にした「赤いろうそくと人魚」。
当館に展示された小林七郎さんの原画を見ながら、
完成を心待ちにしていた方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか?

それでは、イベント当日の様子などを少々、こちらのスタッフ日誌で
ご紹介させていただきます!
が、その前に、そもそも「赤い蝋燭と人魚」とはなんだろう?
という方へ、「赤い蝋燭と人魚」についての基本情報を
少しだけ、ご紹介いたします。
イベントの様子が知りたい方は飛ばし読みしていただいてかまいませんよー。


■赤い蝋燭と人魚について■

「赤い蝋燭と人魚」は童話作家・小川未明(明治15年~昭和36年)が
1921年(大正10年)に発表した創作童話です。
北の海に住んでいる人魚は、暖かな人間の住む世界に憧れ、産んだ
赤ん坊人魚を人間に拾われるようにと、神社の下に置いてゆきました。
しばらくすると、そこへ、おばあさんが神社のお参りにやってきて、
人魚の赤ん坊を家へと連れて帰りました。
蝋燭屋のおじいさんとおばあさんは、拾った人魚の赤ん坊を大事に
育てることにしました。
人魚の子どもはすくすくと育ち、美しい娘になります。
人魚の娘は、人間と姿が異なるので、人目に触れないように日々を
過ごしておりました。やがて、人魚の娘は蝋燭屋の老夫婦を助けようと
蝋燭に絵を描きはじめます。
娘が絵を描いた蝋燭。その蝋燭の燃えさしを持っていると水難に遭わない。
と、たちまち評判になるのですが・・・。

というようなお話しです。
小川未明は早稲田大学在学中に坪内逍遥や小泉八雲(パトリック・
ラフカディオ・ハーン)から指導を受け、後に多くの童話を書き残し、「日本の
アンデルセン」とも呼ばれるようになった人物です。


■小林七郎さんイベント■レポ1

イベントでは「赤い蝋燭と人魚」の物語と小林七郎さんの出会いも語られました。
今回のイベントは小林七郎さんの作品上映発表会をかねたトークイベント
でしたので、プロジェクターの映り具合などが心配でしたが、
イベント3日前に工事が入り、プロジェクターが真新しいものと
取り替えられたのです!映し出される映像のなんと、クリアなこと・・・!
それまでは、古いプロジェクターでなんとか上映していたのですが、
やはり画面の綺麗さが違いますね!
画面の綺麗さが文章ではなかなかお伝えしきれないのが残念です。
違いは是非、当館のアニメシアターで体感してみてください・・・!
ちなみに今まで、頑張ってくれたご老体のプロジェクターは今後、
何かに利用する予定でおります。まだまだ使いますよ!
話がイベントから少しずれてしまいましたが、そんな訳で、新しい
プロジェクターを使って小林七郎さんの「赤いろうそくと人魚」を
皆さまにお届けできるはこびとなりました。

イベントでは、司会の挨拶もそこそこに、小林七郎さんにご登場いただき、
まずは小林さんについて。そして、小林七郎さんの美術への興味は
いつ頃から、どのようにして芽生えていったのか?など、
様々な質問に答えて頂きました!
それでは、その様子を少しだけお伝えします。


とてもお元気な小林七郎さん!

小林七郎さんは第2次世界大戦に突入する少し前、兄弟の末っ子として
北海道で産まれたそうです。

司  会 :記憶の中で一番最初に書いたものは?

小林さん:ええとね、あれは確かまだ小学校にも入っていなかった頃だと
      思います。冬でストーブか何かありまして、犬か猫か、
      何か描いてましたね。
      それを兄弟や親がほめてくれる。そのうちに田舎で寒い
      地域ですからね、通りがかりのおじさん、おばさんが手を
      温めに寄って、お茶を飲みながら絵を見て褒めてくれるんですね。
      まわりに褒めてもらえることが励みであったことは間違いないです。

司  会 :もう1つ上の段階へいったと思った瞬間はいつ?

小林さん:学校へ行くようになりまして、まだ日本は戦争中で、
      戦意高揚の時代で、美術的な風潮はきわめて薄かったのですけれど、
      図画の時間に描いた絵なんかが貼り出されたりして、周りのものと
      自分のものとを比較できるチャンスに恵まれまして、それがエスカレート
      していくことになりますね。

司  会 :褒められて沢山、描くようになったのですね。

小林さん:やたらに描きまくっているわけですよ。そうするとね、
      親が自慢げに見せて回るんですよ、そうしたら町中で目立った
      存在になっていってしまったんです。

司  会 :じゃあ結構有名だったのですね!

小林さん:そのうち日本が戦争に負けまして、姉がたまたま東京に居た
      ものですから、じゃあ、せめて末っ子だけでも勉学の機会を与えようと、
      焼け野原の東京へ連れて行ってくれたんです。
      東京へ出てきた中でもやはり、自分がずば抜けて上手かったので、
      比較されることで、自信・・・まぁ、ちっぽけな自信ですけれどもね。
      調子に乗っていったようですね。だからまぁ、お調子者ですよね。(笑)
      自分に才能があるかどうか、確かめる方法というのは・・・
      やはり、好きかどうかということなんですよ。
      これは私の考えですけれど、好きかどうか・・・好きであれば、
      限りなく努力や、頑張りが続くはずなんですよ。
      持続性となって、『もう、いいや。』『いや、もっと、もっと。』その
      『もっと、もっと。』が限りなく続くということに“好き”というありかたの
      種類といいますか、あるように思いますね。

司  会 :小さい頃から好きなモノに、幸せにも出会えたという事ですか?

小林さん:うん、そうですね。
      きっかけを与えられた幸せと、あとはそれを続けられた環境、状況の
      おかげですね。

司  会 :絵が大好きで描いていた少年は、美術の先生をし、
      東映動画に入られると。
      その転機というか、きっかけは何だったのでしょう?

小林さん:ともかく絵は描きたい。しかし飯を食わなければいけない。
      どこかでちゃんとした職業を持たなければいけないんですけれども、
      それまでは本当に広い仕事みたいなのをやっておりまして、美術学校を
      出ても定職を持たなかったんです。
      ある時、『絵を描く仕事がある。』ということを知らされまして、
      東映動画の採用試験に応募したわけですが、そこでは、20何人か受けて、
      2、3人受かったようですね。

司  会 :アニメの世界に入られてそこから、背景美術の始まりがある
      んですけれども、今まで描いていた“自分の絵”から、
      “アニメーションの絵”になった時に戸惑いとかありました?

小林さん:ありませんね。
      自分の能力の一番得意な部分。つまり、私等が“描写力”と言っている、
      ごく、普通のリアルな描写力。これが抜群だったんです。
      いや、抜群と言いますか、自分としては得意だったんです。
      ともかく、実際に目に見えるもの、写生ですね。
      犬、猫、まぁ、周りのもの、それから、自然物。手当たり次第に描く。
      それが、限りなく面白かったのですよ。

司  会 :では、もうまさに天職、我が意を得たりという感じだったのですね?

小林さん:そうなのですよ。だから、その延長線上で“アニメの背景”。
      全然抵抗も何も。
      ただ、絵具の塗り方、扱いなどね、そういう制約はありましたけれども。
      私達にとってはどうでもいいことでして、ただ、後々そういったものを
      どんどん否定して打ち破っていくわけですけれどもね。

・・・と、このようにイベントでは、小林七郎さんから日誌に書ききれないくらい
の大変興味深いお話しを沢山聞かせて頂きました。
この後には、小林七郎さんが美術背景を担当したアニメーション「ガンバの冒険」、「家なき子」
のショートムービーが上映されました。
上映後には、佐々木さんとおっしゃるフリーライターで、大学では小林さんの
アシスタントを勤めている方にも壇上に上がって頂いて、小林さんには更に
深いお話しをして頂きました。
そして、話はいよいよ、「赤いろうそくと人魚」に移りました。
“その2”に続く

2013年2月15日金曜日

アニメシアター上映作品紹介~アブ・アイワークス~

2月19日(火)~2月22日(金)の平日のシアターは「おもしろ小話アニメ特集♪」第一弾!
アブ・アイワークス作の『ハンプティ・ダンプティ』と『風船の国』の2本!
アブさんは元々はウォルト・ディズニーと一緒にアニメを作っていた方です。
物凄い勢いで絵を描いていたとか……どえらい人です。
では各アニメの紹介をば。

『ハンプティ・ダンプティ』約6分
登場人物(卵)は、ハンプティ・ダンプティ・Jrとイースター・エッグ嬢、そして憎まれ役のバッド・エッグ。
Jrとイースター嬢は恋人同士。
二人(という数え方が良いかは分かりませんが)がミュージカルのように明るく陽気に歌っていると、バッド・エッグがイースター嬢をさらっていってしまう!
Jrは勇敢にもイースター嬢の救出に向かいます。

オーソドックスなストーリーのアメリカアニメです。
しかしこのアニメ、キャラクターの顔や表情が何か怖い!
日本のキャラクターに慣れてると、これに出てくる卵たちがえらく性格悪そうな表情をするんだけど…いいの?
あるきっかけ(大変卵らしいきっかけ)で、Jrとイースター・エッグの正確がガラッと変わるのですが、どうしてそうなったのかは是非シアターで!

『風船の国』約6分
風船の国。そこは、人や動物、建物も皆風船です。
彼らにとって恐ろしいものが一つありました。
それは森に住む針山男。針で風船を割って回って喜んでいるという男でした。
主人公の男の子(やっぱり風船)が、森で遭遇してしまう。針山男なんてへっちゃらだよとか言うから…
森から出て町の建物内に逃げ込むも、針山男はずっと追ってくる…!

針山男が風船の国の住人を針で割りまくっている所はえっらいブラック。軽く悪夢だよこれ。
一発目の「おもしろ小話アニメ特集♪」がこれで大丈夫かと不安がいっぱいです。おもしろ…?

そんなわけで、アメリカ流の面白さをぜひとも堪能してください。
怖かったりブラックだったりしますが(←個人の見解です)、最後は両方ともハッピーエンド、ご安心を。
お待ちしてます!

アブ・アイワークス
ハンプティ・ダンプティ(1934年制作)
風船の国(1935年制作)


【上映時間】
2月19日(火)~2月22日(金) 11:00/13:30

【予告】
来週は
『ふしぎなくすり』を上映します!
こちらは日本で作られた人形アニメです。
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 上映スケジュールはこちら

スタッフ ふ

2013年2月10日日曜日

【再掲】アニメシアター上映作品紹介~識字の話~

「なるほど!なっとく!豆ちしきアニメ特集」、この特集で知識はつきましたでしょうか。
いよいよ最後の「豆ちしき」アニメです!

「なるほど!なっとく!豆ちしきアニメ特集」、2月13日(水)~2月15日(金)は『ミナの笑顔』を上映します!
日本人にとってはあまり馴染みがないかもしれない、「識字(字の読み書きができること)」についてのアニメです。

ミナという女性が主役の物語仕立てのアニメ。彼女は字が読めません。
ある日、畑仕事をしている夫が持病で倒れてしまう。
あいにく薬ビンの中が空だったので、ミナは薬をもらいにバスに乗って町の病院に行くことに。
しかしバスの行き先の字が読めず戸惑う。
町へたどり着くも、今度は病院の字が読めずどこか分からない。
病院に着いても、薬のビンだと思っていた物は実は農薬のビン…
支払いの文字も読めず……ミナはしょんぼりして村に帰ります。
そして字を学びたいと夫に話し、学校へと通うようになりました。
すると、今まで知らなかった事をたくさん知り……

字の読めない最初の方のミナがかわいそうになってくるのですが、
字を学ぶことで彼女自身が変わっていきます。

これは、元はアジア・アフリカ等で観られるように制作されたアニメで、
ミュージアム館長の鈴木伸一も深く関わっていました。
同じく監督のラットさんはマレーシアの著名なマンガ家さん。
このアニメは各国で協力して生まれました。

世界中の多くの人が、このアニメのように字を学んで幸せになれば良いと思います。

鈴木伸一とラット
ミナの笑顔(1993年制作)


【上映時間】
2月13日(水)~2月15日(金) 11:00/13:30

【予告】
2月19日(火)からの週は、新シリーズ!「おもしろ小話アニメ特集」が始まります!(4月12日までの予定)
春にふさわしい面白アニメをご用意してお待ちしております。
第一弾はアブ・アイワークスの『ハンプティ・ダンプティ』『風船の国』の上映です!
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 上映スケジュールはこちら

スタッフ ふ

2013年2月8日金曜日

映像絵本『赤いろうそくと人魚』完成記念発表会&トークイベント キャンセル待ち方法発表【2月11日開催】

■映像絵本『赤いろうそくと人魚』完成記念発表会&トークイベント■
小林七郎氏をゲストに迎え、完成記念上映会と完成に至るまでの道のりを語っていただきます。

◆開催日時
 2013年2月11日(月・祝) 開場14:30/開演15:00
◆開催場所
 杉並アニメーションミュージアム内
 アニメシアター
◆参加費用
 無料
◆定員
 50名(先着)
 ※応募者多数の場合は抽選となります。
◆対象
 特になし。

  『小林七郎展トークイベント』の申込みは、
  定員に達したため締め切らせていただきました。
  たくさんのご応募、ありがとうございました。
  なお、当日は「キャンセル待ち」を実施いたします。
  キャンセル待ちの方法は、以下のとおりとなります。


◆◆◆◆◆キャンセル待ち方法◆◆◆◆◆
イベント当日は「キャンセル待ち抽選券」を配布いたします。
ご希望の方は下記の受付時間内にお申し込みください。

●受付時間
 2月11日(月・祝)14:00~14:45
 ※受付時間外のお申し込みはできません。
●受付場所
 杉並アニメーションミュージアム3階エレベーター前受付
 スタッフに「キャンセル待ち」である旨をお申し出ください。
 申込用紙をお渡しいたします。
 ※電話やメールでのお申し込みはできません。
 ※代理でのお申し込みはできません。
 ※申込は先着ではありませんので、受付時間前の整列はご遠慮ください。
●当選発表
 2月11日(月・祝)14:55(4階エレベーター前にて)
●注意事項
※あくまでも「キャンセル待ち」ですので、お申し込みいただいても入場できない場合があります。
※「キャンセル待ち」の性質上、お連れ様とご一緒の入場が出来ない場合があります。
※当選して入場できた場合、イベントの撮影・録音・ツイッターやブログへのイベント内容のアップ等はお控えください。
※出演者へのプレゼントにつきましては、3階受付で承りますが、飲食物のプレゼントはご遠慮ください。
出演者へのサインなどの受付はお断りいたします。
※定員・イベント内容などは予告無く変更する場合もございますのでご了承ください。

2013年2月6日水曜日

シアター工事にともなう2月7日の上映休止について

ミュージアム内のアニメシアターにつきまして、急遽工事することとなりました。
そのため、2月7日に予定しておりました以下の上映は休止となります。
ただし、同様の作品上映を「4階ワークショップスペース」のモニターで行います。
誠に申し訳ありませんが、2月7日にご来館を予定されているお客様におかれましては、4階にてご覧ください。
皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

■2月7日の上映休止作品
◎13:30

 なるほど!なっとく!豆ちしきアニメ特集♪
 「草原の子テングリ」('77) 22分
◎15:00
 企画展関連上映
 『探偵オペラ ミルキィホームズ』第2話「ポケットにパンを」 24分
◎16:00
 企画展関連上映
 『のだめカンタービレ巴里編』第2話 22分

ミュージアム事務局

2013年2月5日火曜日

【再掲】アニメシアター上映作品紹介~乳製品の話~

2月!もう2月です皆様!
豆はまきましたか?
豆といえば、アニメシアターの豆ちしきアニメの特集もあと2週間となりました。
豆知識を仕入れたい方はぜひミュージアムまでお越しください。
ぜひマメに来てください。

「なるほど!なっとく!豆ちしきアニメ特集♪」のアニメ、
2月5日(火)~6日(金)は『草原の子テングリ』を上映します!
「乳製品」のはじまりはこんなだったかも?というお話。こちらは、ビールや生命保険とは異なり物語仕立て。

中央アジアの草原の村に暮らすテングリという少年が主人公。
彼は、タルタルという村で飼われていた子牛と兄弟同然に育ちました。
しかし冬になり、タルタルが殺されて食料にされるという大人たちの話を聞いたテングリは、タルタルを村から逃がす。
タルタルとの別れから何年か経ち成長したテングリ。
村の食糧確保のため「牛がたくさんいる」という場所に向かいますが……

監督・作画監督が大塚康生、原画に近藤喜文、原案は手塚治虫という
ものすごいメンバーが制作に携わっています。
大塚さんは「未来少年コナン」「ルパン三世」他、
多くの作品にアニメーターとして参加している動きのスペシャリスト。
キャラクターも生き生きしていて楽しいアニメで、オススメです!
(実はこのアニメ、他にもすごい人たちがレイアウトや原画で関っているのですが、クレジットはされていません。
知りたい方は徳間書店から出ている、大塚さんの『作画汗まみれ』という本を読んでくださいね)

「豆知識!勉強!」と肩肘張らずに、素直に楽しめるアニメです。ぜひご覧ください。

大塚康生
草原の子テングリ(1977年制作)


【上映時間】
2月5日(火)~2月8日(金) 11:00/13:30

【予告】
いよいよ最後の豆ちしきアニメ!
2月13日(水)~15日(金)は、当館館長・鈴木伸一が関わった「ミナの笑顔」を上映します!識字の話です。
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スタッフ ふ